「アートメイクは、看護師でもできるの?」
「スクールに通わないと、働けないの?」
興味はあっても、法律のことが分からず、一歩をふみ出せない方も多いと思います。
アートメイクは、法律上の「医行為」です。
看護師・准看護師は、医師の指示があれば施術できます。
法律と国の通知が挙げている条件は、免許と医師の指示の2つです。
スクールの修了は、この条件に入っていません。
アートメイク看護師の条件
- アートメイクは医行為です。医師免許のない人が仕事として行えば、医師法17条違反になります
- 看護師・准看護師は、医師の指示の下で施術できます
- 医師の指示がない施術は、国の通知が違法な例に挙げています
- 条件は免許と医師の指示です。スクールの修了は入っていません
- 給料の目安は後半で紹介しています
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この記事の根拠:2026年10月に確認
- 法律:医師法、保健師助産師看護師法。e-Gov法令検索で条文を確認
- 国の通知:厚生労働省の通知・回答3本。2023年7月、2025年8月、2025年12月に出たもので、PDFの本文まで確認
- 統計:厚生労働省「令和7年 賃金構造基本統計調査」
- 求人:美STARに掲載中の看護師の求人
アートメイク看護師とは?法律上は「医行為」
アートメイク看護師とは、医療機関で、医師の指示の下でアートメイクを行う看護師のことです。
アートメイクは、針先に色素を付けて、皮膚の表面に色を入れる施術です。
眉やアイラインなどを描きます。
厚生労働省は2023年に、眉毛やアイラインを描く行為について、次のように回答しています。
「医行為に該当し、医師免許を有さない者がこれを業として行うのであれば、医師法第17条に違反する」
通知が定めるアートメイクの範囲
2025年8月の国の通知では、次の2つを描く行為が、医行為にあたるとされています。
- 本来その場所にある体の部分:眉毛、毛髪、乳輪・乳頭など
- 化粧の代わりになる装飾:アイライン、チーク、リップなど
「○○メイク」「○○タトゥー」など別の名前で提供されていても、この行為にあたれば医行為です。
タトゥーと何が違う?
最高裁判所は2020年に、ある事件のタトゥーの施術は医行為ではない、と判断しました。
一方で、アートメイクについての厚生労働省の回答には、次の一文があります。
「医療の一環として医師・看護師等の医療従事者が関与している実態がある」
そのため、アートメイクが医行為であることは否定されない、と厚生労働省は回答しています。
施術の種類や部位は、美容コラムで紹介しています。
「アートメイクにはどんな種類があるの?」や「インスタでも話題のアートメイクってどうなの?」をご覧ください。
看護師がアートメイクをしてよい条件と、違法になる例【法律と厚労省通知】
まずは、これまでに国が示した判断を、年の順に並べます。
| 日付 | 出したもの | 要点 |
|---|---|---|
| 2020年9月16日 | 最高裁判所の決定 | その事件のタトゥーの施術は、医行為ではないと判断 |
| 2023年7月3日 | 厚労省の回答 | 眉毛・アイラインを描くアートメイクは医行為。医師免許のない人が業として行えば、医師法17条違反 |
| 2025年8月15日 | 厚労省の通知 | 医行為となる範囲を明示。看護師等は、医師の指示の下で施術できる。違法な例も挙げている |
| 2025年12月26日 | 厚労省・経産省の通知 | 美容所などで、名前を問わずアートメイクを行わないよう周知することを、都道府県に依頼 |
出典:厚生労働省の各通知。2023年の回答は医政医発0703第4号で、医政医発0703第5号の別紙2として示されたもの。2025年8月は医政発0815第21号、2025年12月は医政医発1226第3号ほか。最高裁の決定は、2023年の通知の中で紹介されています
条件は「医師の指示」
医師法17条により、医師でない人は医業を行えません。
保健師助産師看護師法の37条には、主治の医師の指示がない限り、看護師などがしてはいけない行為が定められています。
医師が行わなければ、衛生上の危害が生じるおそれのある行為です。
2025年8月の通知も、この37条をもとに整理しています。
看護師等は、医師の指示の下で、医行為にあたる診療の補助を行えます。
通知の「看護師等」には、保健師・助産師・看護師・准看護師が含まれます。
通知が挙げている「違法な例」
2025年8月の通知は、次の3つを、医師法17条や保健師助産師看護師法37条に違反する例として挙げています。
原文のまま紹介します。
- ア 看護師等が、医師の指示なく、脱毛行為等、いわゆるアートメイク、HIFU施術等の医行為を行うこと。
- イ 看護師等が、医学的判断を伴う行為である診察を行うこと。
- ウ 看護師等が、具体的な治療方法を選択して患者に対して提案し、又は決定するなど、患者の個別の状況に応じて医学的な判断を行い、これを伝達すること。
出典:厚生労働省「美容医療に関する取扱いについて」2025年8月の通知、第1-2-(3)
ウについて、眉の形などのデザインの相談がこれにあたるかは、通知には書かれていません。
看護師がどこまで担うかは、勤務先の医師の指示で決まります。
サロンや自宅で施術してよい?
看護師が医師の指示なく施術することは、上のアにあたります。
美容所やエステサロンについては、2025年12月にも通知が出ています。
名前を問わず、アートメイクを行わないよう営業者に周知することを、都道府県に求める通知です。
違反の情報があれば、調査をして停止を勧告することも求めています。
この通知は、医師法違反であることは以前から示している、としています。
看護師が自宅やテナントで開業する形については、3つの通知のどれにも個別の記述がありません。
働く場所が病院・診療所か、誰が指示を出すかを、契約の前に確かめておきましょう。
アートメイク看護師になるには
まず必要なのは、看護師または准看護師の免許です。
看護師は厚生労働大臣、准看護師は都道府県知事の免許です。
どちらも、保健師助産師看護師法の5条・6条に定められています。
そのうえで、次のような進み方があります。
1. 医療機関に就職し、院内で技術を身につける
アートメイクを行う美容クリニックなどに就職し、院内の研修で施術を覚える方法です。
研修があるか、その期間や研修中の給与は、求人によって違います。
応募する前に、求人票で確かめておきましょう。
2. スクールで学んでから応募する
民間のスクールで技術を学んでから、医療機関に応募する方法もあります。
法律と通知が挙げる条件に、スクールの修了は入っていません。
ただ、指定スクールの受講や修了を、応募の条件にしている求人もあります。
3. いま美容クリニックで働いているなら
まずは、勤務先にアートメイクのメニューや、施術を担当するスタッフがいるかを確かめてみましょう。
メニューがあれば、見学や施術の補助から関われないか、医師や上司に相談する方法もあります。
スクールを契約する前に確かめること
スクールの費用は、国などがまとめた目安のデータがありません。
金額を比べるよりも、契約の前に、次の点を書面で確かめておくことが大切です。
| 確かめること | 見るポイント |
|---|---|
| 対面の実技の時間数 | 動画や座学だけでなく、実際に手を動かす時間がどれだけあるか |
| 練習モデルの扱い | モデルを自分で探すのか、費用は誰が負担するのか |
| 総額と支払方法 | 教材や追加講習を含めた総額はいくらか。ローンを組む必要があるか |
| 解約・返金の条件 | 途中でやめた場合に、いくら戻るか。書面で確かめる |
| 修了後の就職先の扱い | 就職先を紹介してもらえるか。それが契約書に書かれているか |
| 説明の中身 | 「サロンで開業できる」などの説明が、国の通知の内容と食い違っていないか |
契約や勧誘で困ったときは、一人で悩まずに、消費者ホットライン「188」に相談できます。
近くの消費生活センターなどの窓口を案内してもらえます。
相談は無料で、通話料だけがかかります。
給料の目安
国の統計には、「アートメイク看護師」という区分がありません。
そこで、看護師全体の数字を参考に紹介します。
厚生労働省の調査では、看護師の年収は約524.7万円です。
平均年齢は42.1歳です。
従業員10〜99人の企業では、約469.8万円です。
准看護師は、約427.5万円です。
これらは、すでに働いている人の平均です。
求人に書かれている金額とは、数え方が違います。
美STARに掲載中の美容クリニックの看護師の求人では、スタートの月給は30万〜44万円ほどです。
美容看護師全体の求人の金額で、アートメイク専任の求人の金額ではありません。
歩合の仕組みや、年収が下がりやすいケースは「アートメイク看護師の年収はいくら?」で紹介しています。
出典:厚生労働省「令和7年 賃金構造基本統計調査」職種別第1表。企業規模10人以上の一般労働者で、年収は「月の給与×12+年間賞与」で計算。美STARの金額は、美STARに掲載中の看護師の求人(2026年10月時点)をもとにした目安です
アートメイク看護師の求人を見るときのチェックリスト
気になる求人が見つかったら、応募の前に、次の6つを確かめておきましょう。
求人の書き方はさまざまで、大事な条件が本文にだけ書かれていることもあります。
| 確かめること | 理由 |
|---|---|
| 施術場所は病院・診療所か | 医師の指示の下で施術できる体制かを見るため |
| 誰が診察し、誰が施術の指示を出すか | 医師の指示がない施術は、通知が違法な例に挙げているため |
| 研修の内容・期間・研修中の給与 | 試用期間中だけ、月給を低めに決めている求人もあるため |
| 報酬の決まり方と固定残業代 | 業務委託の歩合でも、一覧では「月給」と表示されることがある。歩合の率や固定残業代は、本文にだけ書かれていることもある。歩合なら、何に対して何%かを見る |
| スクールの指定と費用の負担 | 指定スクールの受講や修了を、条件にしている求人もあるため |
| 雇用か業務委託か、社会保険の記載はあるか | 業務委託なのに社会保険も書かれているなど、記載が合っていない求人もあるため |
求人の例:求人検索サイトに掲載されていたアートメイク看護師の求人。2026年10月に確認
「アートメイク看護師」で探した求人の中に、看護師免許がいらないサポート職の求人が混ざっていることもあります。
職種名だけでなく、応募資格の欄も見ておきましょう。
美STARでは、専任のコンサルタントがご希望をお聞きして、美容クリニックの求人をご紹介します。
求人ごとの職場の雰囲気や研修の様子など、書類だけでは分からない情報もお伝えします。応募を急かすことはありません。
給与や休日などの条件の交渉も、あなたに代わって行います。
美STARでしか出会えない非公開求人もあります。
よくある質問
- Q. 准看護師でもアートメイクはできますか?
- A. できます。2025年8月の通知の「看護師等」には、准看護師も含まれます。医師の指示の下であれば施術できます。准看護師は、医師などの指示を受けて業務を行う職種として、保健師助産師看護師法の6条に定められています。
- Q. 30代・40代や子育て中でもなれますか?
- A. 雇用の求人なら、年齢だけを理由に応募できないことは、原則としてありません。募集や採用で年齢の制限を設けることが、法律で原則として禁止されているためです。根拠は労働施策総合推進法で、例外もあります。くわしくは厚生労働省のページをご覧ください。子育て中の方は、勤務時間や休日の条件も求人票で確かめておきましょう。
アートメイク看護師の条件は「免許」と「医師の指示」
- アートメイクは医行為です。看護師・准看護師は、医師の指示の下で施術できます
- スクールの修了は条件に入っていません。契約する前に、費用や解約の条件を書面で確かめましょう
- 求人では、施術場所・指示を出す医師・報酬の決まり方・契約の形を確かめましょう
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