「思い切って転職するなら本当にやりたかった業種にチャレンジしたい」
「今の業種は合っていないと思うので別の業種に転職したい」
そう思っている方は少なくないと思います。
ですが、一般的には未経験の業種に転職するのは難しいと言われています。
ここでは未経験業種の転職に成功するために何が必要なのかをご紹介していきます。
業種、業界、職種の違いを解説
本題に入る前に、「業種」「業界」「職種」の違いを説明しておきます。この3つは転職に慣れていないと意外と間違えている方も多かったりします。
・「業種」は事業や分野を指す
業種というのは、事業や営業の種類のことで、企業が手掛ける分野を指します。細かく言うと、「日本標準産業分類の『産業』に準拠して、証券コード協議会が分類したもの」が一般的ですが、ざっくりいうと、製造業、建設業、サービス業、不動産業という大まかな分野のことを言うことが多いです。
・「業界」と「業種」はどう違うのか
ここが間違えやすい部分でもありますが、業界は業種をさらに細分化したものです。
例えば「業種」がサービス業で、サービス業の中に「ホテル業界」「広告業界」「外食業界」があるというイメージです。
・「職種」は企業内での役割のこと
「職種」は文字通り職業の種類のことです。例えば、営業職、事務職、技術職、販売職などがこれにあたります。
転職で使われる際には、事務職でも「人事職」「経理職」などもう少し細かく分類されることがあります。
例えば「広告代理店の営業」であれば、業種「サービス業」×業界「広告業界」×職種「営業」ということになります。
未経験業種の転職に成功するためには
ここでは違う業種、業界への転職を成功させるためのポイントをご紹介します。20代であれば比較的キャリアチェンジは受け入れられますが、即戦力として求められる30代以上の場合はよりハードルが高くなります。
・同じ「職種」で転職する
「同業種・同職種」で転職する方が比較的成功しやすいと言われていますが、「異業種・同職種」であれば比較的転職はしやすいと言えます。
ざっくり言ってしまえば「営業職」「人事職」という職種のキャリアは業種が違っても活かせる部分が多いからです。
例えば保険業界の営業から自動車業界の営業に転職する場合、「対個人の営業経験」や「高額な商材を扱う営業スキル」など、業界が違っても活かせるスキルをアピールすることで転職の可能性が高くなります。
・未経験者を受け入れる業種に転職する
業種経験を問わない業種に転職することも成功に近づく作戦の一つです。
拡大中の業界や慢性的な人手不足の業界であれば、「未経験者可」と門戸を広げている業界もあります。
成長中のベンチャー企業などはそういった傾向にあります。また、IT業界やメディカル業界などは業種不問の求人が多く見られます。
実際に異業種からの転職者が多い業種は、商社/流通業、メディア業、サービス業など無形商材を扱う業種が多いです。
また、マネージメント経験は業種を問わず活かすことのできるキャリアであることから、豊富なマネージメント経験を有していれば、異業種への転職に有利に働きます。
未経験業種に転職する際に気を付けておきたいポイント
「今の業種は自分にミスマッチだ」と感じている方は、やはり異業種への転職を希望することになると思います。そして、この先長い間働くことを考えると、その選択は正解でしょう。
転職する前に覚えておいていただきたいポイントが3つあります。
ひとつは、「なぜ未経験の業種に転職したいのか」を明確にしておくことです。面接時に必ず聞かれることですから、採用担当者が納得するような内容を考えておいてください。
ふたつめは、未経験の業種に飛び込むことになりますので、今までの「業種経験値」がなくなってしまうことになります。経験者と未経験者では待遇が違ってきますので、年収が下がってしまう可能性が高くなります。
最後に募集要項に「未経験者優遇」と書いてある求人に注意してください。
「優秀なスペックを持っていれば未経験でも採用したい」
「経験者だけでは賄えないほど人材が不足している」
という良いケースもありますが、よくないケースがあることも事実です。
一例として、
・離職率が高く人手不足で、未経験者でもいいから労働力が欲しい
・経験者では二の足を踏むような大胆すぎる経営方針なので、逆に経験値のない未経験者を採用したい
などという事例もあります。
思い切って未経験業種にチャレンジしたいという意欲はすばらしいことだと思います。理想と、現実的な転職リスクとのバランスを取って、よい転職ができることをお祈りしております。