美容クリニックの求人票を見ていると、「月給32万円(見込み残業代含む)」といった表記をよく目にしませんか?
この「見込み残業代(固定残業代)」の仕組みを正しく理解していないと、転職した後に「思ったより稼げない」「働き損をしてしまった」と後悔することになりかねません。
今回は、知っておくべき仕組みと、求人票を見る際の見極めポイントを解説します。
そもそも「見込み残業代」ってどんな仕組み?
見込み残業代とは、「実際の残業時間に関わらず、あらかじめ決められた時間分の残業代を、毎月固定で支払う」という制度です。
ここで絶対に知っておくべき大原則は、以下の2つです。
原則1)残業が「指定時間未満」でも、満額もらえる
例えば「固定残業20時間分」と決められている場合、実際の残業が月に5時間だけだったとしても、20時間分の残業代がそのまま支給されます。早く帰れた月は「得をする」仕組みです。
原則2)指定時間を「超えた」場合は、追加で支給される
ここが一番の誤解ポイントですが、「見込み残業代があるから、どれだけ残業しても定額」というのは間違いです。もし20時間を超えて30時間残業した場合は、超過した10時間分の残業代をクリニックは別途支払う義務があります。
求人票で必ずチェックすべき「3つの項目」
うっかり損してしまわないために、求人票や労働条件通知書では必ず次の3点を確認してください。
・固定残業代の「金額」と「時間数」が明記されているか
「見込み残業代を含む」とだけ書かれていて、具体的な金額や時間(例:4万5,000円/20時間分など)が書かれていない求人はNGです。法律上、これらは明記するルールになっています。
・「基本給」はいくらになっているか
月給が高く見えても、実はその大半が見込み残業代で、基本給が驚くほど低いケースがあります。賞与(ボーナス)や退職金は「基本給」をベースに計算されることが多いため、基本給が低すぎると損をしてしまうことがあります。
・「超過分は別途支給」の一文があるか
これがないクリニックは、時間を超えて残業させても追加分を支払わない「残業代の定額働かせ放題」にしている可能性があります。
美容クリニックで「見込み残業」が発生しやすい理由
「定時で帰れないの?」と不安になるかもしれませんが、美容クリニックで見込み残業制が導入されているのには理由があります。
それは、「患者様の施術が長引いたときのため」です。
最後の患者様のレーザー照射やオペ、カウンセリングなどが数十分長引くことはどうしても発生します。そのため、毎日のちょっとした残業を、いちいち細かく計算する手間を省くためにこの制度が使われているのです。
求人票の内訳はしっかり確認を
「見込み残業代あり」の求人自体は、決して悪いものではありません。テキパキ仕事を終わらせて定時で帰れば、残業していないのに残業代がもらえる「おいしい制度」にもなり得るからです。
大切なのは、「求人票の文字を鵜呑みにせず、内訳を確認すること」。面接時に直接聞きにくいお金の話や、平均残業時間などのリアルな実態について確認するのは、キャリアアドバイザーの得意分野です。
「この給与の内訳、どうなっているんだろう?」と少しでも疑問に思ったら、いつでもお気軽に相談してくださいね。





