美容医療の現場では、どんなに技術が優れていても「一人で完結できる仕事」はほとんどありません。
医師、看護師、カウンセラー、受付、事務スタッフ——。それぞれの専門性を生かしながら、チームとして患者様を支えるのが美容クリニックの医療です。
そんな中で欠かせないのが「協調性」。では、現場で信頼される“協調性のある人”とは、どんな人なのでしょうか。
相手の立場に立って考えられる人
協調性とは、「誰とでも仲良くできる」ことではありません。むしろ大切なのは、立場や役割の違いを理解し、相手の状況を想像できることです。
たとえば、医師がカウンセリング中で忙しければ、声をかけるタイミングを工夫する。受付スタッフが混雑対応に追われているなら、自分にできるサポートを探す。そんな小さな配慮の積み重ねが、信頼関係を生みます。
協調性のある人は、相手の動きをよく見て、必要なときに自然と手を差し伸べられる人。それは同時に、患者様への思いやりにもつながっていきます。
意見の違いを「否定」ではなく「対話」で受け止められる人
クリニックの現場では、意見の違いが出ることもあります。カウンセラーと看護師、あるいは同じ看護師同士でも、優先順位や判断が異なる場面は少なくありません。そのときに「自分が正しい」と主張するだけでは、チームは前に進みません。
協調性のある人は、意見が違っても一度受け止め、「なぜそう考えるのか」を丁寧に聞く姿勢を持っています。
対話を通じて、より良い方法を見つけようとする——この姿勢が、結果的に患者様にとって最善のケアにつながります。
「報・連・相」を丁寧にできる人
協調性の根っこにあるのは「信頼」です。信頼は、正確なコミュニケーションから生まれます。
患者様の状態変化やクレーム、業務上のミスなど、小さなことでも共有を怠らない。忙しい中でも一言添えて報告・相談ができる人は、周囲から「安心して任せられる」と感じてもらえます。
特に美容医療では、患者様の希望・感情の機微に関わる場面が多く、情報の伝達ミスがトラブルにつながることも。だからこそ、誠実に伝える力が協調性の一部として重要視されるのです。
まとめ
協調性とは、「合わせる力」ではなく「支え合う力」。
自分の考えを持ちながらも、周囲の立場を理解し、より良い方向へ歩み寄る姿勢がある人こそ、現場で信頼されます。
美容クリニックの仕事は、患者様の“美しさ”を支えるチームプレーです。仲間と力を合わせることでこそ、患者様の笑顔を引き出す本当のやりがいが生まれます。
教えてくれたのは…
美容クリニック マネジメント講師 原田丈志さん
美容医療業界13年。美容クリニックにて、マーケ部、カウンセラー、カウンセラーリーダー、教育・サービス責任者を経験。現在では、現場と運営本部の両方を経験している強みを生かして、幅広い視野でのマネジメント、スタッフ教育、運営サポート、仕組み構築などを複数のクリニックにて手掛けている。





